2011年10月31日月曜日

前橋レポートの問題点(HI抗体価調査の欠点)

予防接種に否定的な考えをもつ方々の主張でよく聞かれるのが、「自然感染すれば抗体価が上昇し、翌年以降インフルエンザに罹りにくくなる。だから、予防接種などする必要はなく、どんどんインフルエンザに罹ればいい」というものです。果たして、その主張はどの程度実態を表しているのでしょうか。前橋レポートのHI抗体価調査からみてみます。

ちなみに、抗体とはウイルスに感染した細胞をやっつける物質で、HI抗体価は、「赤血球凝集抑制法」という測定方法で抗体の量を測定したものです。数値が高いほどインフルエンザになりにくいと理解しておけばよいでしょう。

①HI抗体価によって見た小学校のインフルエンザ流行
前橋レポートでは、前橋市内の非接種校の児童を対象としてHI抗体価の大規模調査をおこないました。

1981 年度から,「指定校」5 校の2 年生約600人を対象に,毎年流行を挾む11 月と5 月に,すなわち6 か月ごとに年2 回の採血を行い,HI 抗体価を測定した。


要するに、予防接種を行わないことで抗体価にどのような変化があらわれるかを調べたのです。前橋レポートの説明でよく使われる、「5年間に及んだ調査」というのはこのHI抗体価調査の部分です。非接種地域と接種地域との比較は2年間しか行っていないので間違えのないように。

調査では、小2児童に対して計10回の採血(注射)が行われました。報告では「採血後のトラブルは一例も認められなかった」となっていますが、小学生にのべ6,000回の注射(採血)を行って1例も副反応など起こらなかったとは、よほど医師の腕が良かったのでしょう。

余談ですが、インフルエンザの予防接種では、採血後2日以内に発熱があった場合は、予防接種との関連性の有無に関わらず、「予防接種後副反応疑い」として厚生労働省に報告する義務があります。例えば、接種翌日にたまたま風邪を引いて発熱したようなケースでも、副反応疑いとして報告しなければいけません。報告は厚労省がとりまとめHPで公表しています。必要以上に厳格です。もちろん副反応疑い報告があったからといって、予防接種の副作用と因果関係があるわけではありません。

②既往により感染率は明らかに低下する
話が逸れましたが、このように児童たちの犠牲と、関係者の労力、多額の費用をかけておこなった調査の結果とはどのようなものだったのでしょうか。5年の歳月をかけただけあってレポートもかなりのボリュームです。結論を要約すると、大きく2点に別れます。

まず、「いずれの流行においても,前回流行に感染した者の感染率は,しなかった者に比べて明らかに低かった」ということ。一度、インフルエンザに罹患すると翌年以降、感染率が大きく低下し、その効果は数年続くだろうという主張です。

抗体価が高いと「感染率」は低下するが…

そして、もうひとつ。「もしも抗体価<16 倍および16 倍の者を抗体を保有しない者,32 倍以上の者を抗体保有者とすれば,欠席率は前者にあっては67.0%,後者では55.5%,発熱率は前者は49.1%にたいして後者は38.0%であった。すなわち,既往があって感染した者の欠席率および発熱率は,既往のない者に比較していずれも約10%低いという結果であった」ということです。

ここで疑問が湧きます。「感染率」明らかに低下するのに、「欠席率・発熱率」既往なしの者と比較して10ポイント程度しか変わらないという結果です。普通に考えれば、「感染率」が明らかに低下しているのであれば、「欠席率」「発熱率」も同様に大きく低下するのではないかと考えますが。

③前橋レポートにおける感染の定義
ポイントは、「感染率」「欠席率・発熱率」とは一致しないという点です。これを理解するには、前橋レポートにおける感染の定義について知っておく必要があります。前橋レポートでは、「感染の有無の判定は既述のごとく,流行前後の抗体価において抗体価が4 倍以上の上昇を見た者を「感染あり」,2 倍以下の者は「感染なし」として集計した」としています。あくまで、抗体価の変化で、感染の有無を判定しているようです。

抗体価は欠席発熱者数には影響しない?

一般人が「感染が明らかに低かった」と聞くと、インフルエンザに罹って熱や咳などの症状が現れる確率が低下したことを想像しますが、、ここでの「感染」とはあくまで抗体価の上昇を示すもので、「発病」「発症」という概念とは異なるようです。ですから、「感染率」が大きく低下するからといって、実際に病気になる確率が大きく低下するわけではありません。結果からは、自然感染により抗体価が上昇しても、「欠席率・発熱率に」は大きな影響を与えていないということがわかったのです。

④感染率が下がっても欠席率・発熱率が下がらない原因
では、なぜ、抗体価からみると、既往によって翌年以降の「感染率」の大きな低下(抗体価の上昇)がおきているのに、「欠席率・発熱率」はさほど下がらないのでしょうか。

考えられる理由は2つです。1つは、HI抗体価の上昇自体がインフルエンザの症状予防にはあまり関係がないかもしれないということ。もう1つは、前橋レポートの「欠席率・発熱率」の定義づけでは、風邪など他の病気も含まれるため、インフルエンザの実態を正確に反映していないのではないかということです。おそらく後者が原因ではないでしょうか。

ちなみに、この調査における欠席者は、「流行期間内に一回でも欠席したことのある者については,インフルエンザにより欠席したものと見なして算出した」となっており、発熱者は「38度以上の発熱」をした者とされています。一般的な風邪や、ノロなど発熱を伴う感染性胃腸炎などでも、すべてインフルエンザ患者とみなされます。

⑤自然罹患より予防接種のほうが効果あり
では、自然罹患によって発病予防効果はどれぐらい上がるのでしょうか。抗体を保有しない者と保有する者とで有効率を計算すると、欠席率では17.2%発熱率では22.6%となります。「小児はインフルエンザに自然に感染することによって,確固とした免疫を身に付けてゆくことが分かった」と結論づける割にはずいぶんと低い数字のような気がします。


前橋レポートでは効果が低いとされている予防接種と比較してみましょう。両者の定義づけが異なるため正確な比較はできませんが、接種・非接種地域比較の際にでてきた「罹患率」[①37度以上の発熱があって連続2日以上欠席した者、または、②発熱は不明であるが連続3日以上欠席した者]は比較的条件が近いようですから、この数字で比べてみます。

自然罹患より予防接種のほうが有効か

84年度のデータで見ましょう。接種率80%の高崎市についてです。罹患率は、2回接種群38.3%に対して、未接種群53.9%となっていますから、有効率は28.9%です。同様に85年度のデータでは有効率は39.8%です。どうやら自然罹患によってできる免疫よりも予防接種をしたほうが効果があるようです。

なお、ここで計算した予防接種の有効率は、アウトカムに風邪などによる欠席も含めたもので、実際のインフルエンザワクチンの有効率(70-90%といわれています)とは大きく異なりますのでご注意ください。

⑥まとめ
前橋レポートにおけるHI抗体価調査では、自然感染により以後の感染率が大きく低下するとともに、発病率もある程度低下するということがわかりました。しかし、「感染率」とはHI抗体価の上昇を意味し、発病率を大きく下げているわけではないということも明らかになっています。また、ワクチン接種者との比較では、自然感染よりもワクチン接種のほうが発病予防効果が高いということも判明しました。

しかし、レポートではワクチンの有効性について、「欠席者率から見たワクチン有効率はたかだか20~30%であり」と効果について否定的な考えを示しています。一方で、抗体価による「感染率」という指標を使うことで、自然感染による発病予防効果を意図的に高く評価し、「小児はインフルエンザに自然に感染することによって,確固とした免疫を身に付けてゆくことが分かった」と結論付けています。実際には、自然感染による発病予防効果は17%-22%程度で予防接種より低い結果が出ています。

もちろん、自然感染することでインフルエンザに罹りにくくなるであろうことは感覚的にわかります。にもかかわらず、調査における発病予防効果が思ったほど高くなかった理由としては、やはり、前橋レポートにおけるインフルエンザ患者の定義づけに問題があったのだろうということです。

さて、自然罹患により免疫ができるという考えには異論はありませんが、そもそも抗体ができるからといって、重症化しやすい幼少期にわざわざインフルエンザに感染する危険を冒す必要があるのでしょうか。前橋レポートでは、自然感染で抗体ができるので予防接種は不要であると結論づけていますが、幼少期にインフルエンザに罹ることを良しと思っているのでしょうか。予防接種で罹患する確率を下げることができるのであれば、接種すべきだと思いますが。

前橋レポートの中身(接種の有無による罹患率の差)

インフルエンザ予防接種に対して否定的な考えをもつ方々がよく引用する文献に「前橋レポート」と呼ばれる調査があります。このレポートは、1979年に群馬県の前橋市医師会が、インフルエンザの副作用と効果に不信感を持ち、接種を取りやめ、5年間に渡る研究結果をまとめたものです。その後90年前半にインフルエンザ予防接種の集団接種が廃止されるきっかけになったと言われています。

予防接種に否定的な考えをもつ方々の主張は、「前橋レポートで予防接種の有効性は否定されている」という短絡的なものですが、一体その中身はどのようなものでしょうか?前橋レポートで予防接種の有効性は本当に否定されているのでしょうか。内容を検討してみました。

なお、記事の構成は次のとおり。
前橋レポートの中身(予防接種は効かないのウソ)(こちらの記事から読むことをオススメします)
前橋レポートの中身(接種の有無による罹患率の差)(このページ)
前橋レポートの問題点(HI抗体価調査の欠点)
前橋レポートの問題点(予防接種の有無で医療費に変化はないのか)
「カンガエルーネット管理者が重要と考えるポイント」を検証

①前橋レポートは「集団」予防接種の効果を測定する調査
前橋レポートは、群馬県におけるインフルエンザワクチン接種地域と非接種地域とを比較して、集団でのインフルエンザ予防接種に効果があるか否かを調べたものです。罹患者の定義づけなど調査手法上いろいろと問題のあるレポートであることが専門家から指摘されていますが、今回はその点は目を瞑って、核心の部分のみを検討してみます。ポイントは、予防接種を実施した学校と実施しなかった学校とで罹患率にどの程度の差が出ていたかです。

調査対象となったのは、予防接種を中止した前橋市安中市と、実施した高崎市桐生市伊勢崎市です。84年度と85年度の2年間の数字を比較しています。


まず、84年度の結果を見てみましょう(上図:前橋レポートより引用)。対象者総数の罹患率を見ます。予防接種を実施しなかった前橋市で罹患率が43%安中市46%です。一方、予防接種を実施した高崎市40%桐生市43%伊勢崎市52%となっています。


続いて85年度(上図:同)です。前橋市27%安中市22%に対して、高崎市21%桐生市25%伊勢崎市29%となっています。

一見、この数字だけを見るとインフルエンザの予防接種には効果がないかの印象を与えますが、それは間違いです。ここに載っている数字はあくまで接種者と未接種者を含めた「全体の罹患率」を比べているだけです。しかも、接種群とされる桐生市伊勢崎市の接種率は50%台です。この結果だけを見て予防接種は効果がないという結論を出すのは早計です。


では、この調査結果からどういったことがわかるのでしょうか。まずは、接種率が80%台の高崎市の数字を見てみましょう。罹患率が21%で調査をした5市の中で一番低いことは明らかです。接種率が高ければ「全体の罹患率」を引き下げる効果があることが数字から見てとれます。

でも、「接種率50%台の2市と非接種の2市とを比較すると差がない」という疑問が湧きます。予防接種には効果がないのでしょうか?違います。この調査結果からわかることは、接種率50%台では全体の罹患率を引き下げる十分な効果が得られないかもしれないということです。

例えると、20個のミカンが入った箱の中に、カビの生えたミカンが1個混ざっていても全体に大きな影響はありませんが、その数が5個、6個と増えれば箱の中のミカン全体が被害を受けます。この調査結果からは、集団予防接種は接種率が高くなければ全体の罹患率を引き下げるための十分な効果が得られないということが推測できるだけです。

そもそも、各地域のインフルエンザ流行は予防接種の有無以外にも、人口密度や年齢構成、産業構造など様々な要因が影響するもので、その地域差を無視して罹患率を比較することに妥当性はないように思います。


②前橋レポートでも予防接種は効果あり
さて、上記はあくまで群馬県内5市の「非接種者を含めた全体の罹患率」を比較したものです。この結果をもって予防接種には効果がないと結論づけるのは間違いであることはわかりました。それでは、予防接種の「効果の有無」を測定するにはどうすればよいでしょうか?

簡単なことです。インフルエンザ予防接種の効果を計るのであれば、単純に同一市内の2回接種者と非接種者のインフルエンザ罹患率を比較すればいいのです。



上記は前橋レポートから接種群とされる3市のデータを抜き出したものです。高崎市のデータを見てみましょう。2回接種群の罹患率は84年度(昭和59)で38.3%、85年度(昭和60)で18.6%です。これに対して、高崎市における非接種群の罹患率は84年度53.9%、85年度30.9%と、12~15ポイントも罹患率が高くなっていることがわかります。適切に予防接種を受けることで罹患率を下げる効果があることがわかります。

他の2市(桐生市、伊勢崎市)の数字を見ても、非接種群は84年度で43%~59%、85年度で22%~36%で、2回接種群よりも例外なく罹患率が高くなっています。インフルエンザの予防接種には罹患率を下げる十分な効果があることが確認できます。予防接種には効果があることは前橋レポートの中でも証明されているのです。

前橋レポートでもワクチンの有効性を示す結果が

ちなみに、「予防接種を受けているのに罹患率が40%前後って高くない?」と疑問に思われる方がいるかもしれませんので、補足しておきます。この調査におけるインフルエンザ罹患者の定義は、流行期間中に、①37度以上の発熱があって連続2日以上欠席した者、または、②発熱は不明であるが連続3日以上欠席した者というかなりアバウトなものです。

要するに、普通の風邪や腹痛、はたまた仮病であったとしても、上記の条件に当てはまればインフルエンザ患者とみなされているのです。ですから、この40%台という数字は、予防接種の効果を測定する上ではあまり意味のない数字といえるでしょう(接種者と非接種者との罹患率の差を比較する上では参考になります)。


③ねじ曲げられた調査結果
こうして導き出された数値だけを見れば、予防接種に効果があることは明らかです。ところが、前橋レポートに携わった方々はこの結果に納得がいかなかったようです。調査結果をもとに行われた「ワクチン有効率に関する検討」を見てみましょう。

レポートでは、検討に際してまず、「非接種地区として前橋市を,接種地区として高崎市,桐生市,伊勢崎市の合計をもって対比することとした」と書かれています。

ここで疑問が湧きます。ひとつは、なぜ非接種地区から安中市を外したのかです。そしてもうひとつ、接種地区に接種率の低い(50%前後)桐生市と伊勢崎市を入れて比較することが妥当なのかということです。なぜ、非接種の前橋、安中両市と接種率80%台の高崎市とを単純に比較しないのでしょうか。

そして、検討では調査結果についてこう結論付けています。

ここで,前橋市と3市合計の流行規模が概ね同じくらい,との前提のもとに,前橋市と3市合計の二回接種群の罹患率を比較すれば,その差は1984年度においては2.2%,1985年度では7.4%となり,これによるワクチン有効率は,前者にあっては僅かに5%,後者にあっては27%に低下する。

要するに、調査結果では予防接種の有効性を示す数値が出たにも関わらず、①接種率の低い桐生市、伊勢崎市を接種群に入れた上で、②罹患率の高かった安中市を非接種群から外すことによって、罹患率の差(2.2ポイント)と有効率(5%)とを調整しているのです。

この検討はいただけません。単純に非接種群の前橋市・安中市と接種率の高い高崎市とを比較すれば罹患率の差は84年度で4.8ポイント(有効率11.1%)、85年度で8.3ポイント(同31%)になります。ずいぶん数字が違ってきますね。

どうやら調査では有効性を示す数値が出たものの、予防接種に否定的な考えをもつ方々に有利な結果となるよう、検討の段階で随分と数字が操作されたようです。かなり恣意的に結果をねじ曲げていると感じるのは私だけでしょうか。


④反対派の手口はさらに悪質
前橋レポートの調査結果から判ったことは、①個別の予防接種には効果がある②集団予防の効果も接種率が80%台なら有効であるということです。一方で、①予防接種で感染を100%防ぐことはできないし、②接種率が50%台では集団予防の効果が薄いということも見てとれます。

しかし、この調査内容は、「前橋レポートで予防接種は効果がないことが証明された」という反対派の主張とは大きく乖離しています。


続いて、上記画像は、いわゆるワクチン反対派のHP(http://www.thinker-japan.sakura.ne.jp/dontvaccinated.html)に掲載されているグラフです。日本でも(世界でも)唯一の前橋市医師会による6年間にわたる調査データとタイトルをつけて掲載されています(※実際は、このグラフに載っている調査データは6年間ではなく2年間のものです)。

ご丁寧に「右の罹患率(児童がインフルエンザにかかった割合)が、5つの市でワクチンの接種率とまったく無関係であることがわかります」との解説付きです。事情を知らない方がこのグラフをパッと見ると「予防接種って効果ないんだな」と思ってしまいますね。

ところで、このグラフでは高崎市のワクチン接種率が91.5%、罹患率が38.8%となっていますね。前橋レポートの結果(接種率80.5%、罹患率18.6%)とはずいぶん数値が異なります。なぜでしょうか?どうやらこのグラフの接種者数には1回接種者(9.8%)の数も含まれているようです。

児童のインフルエンザ予防接種は2回することで予防に必要な免疫を獲得します。逆を言えば1回では十分な免疫を獲得できないということです。ですから、予防接種の効果を判定するためには、非接種群と2回接種群とを比較するのが正しい比較方法です。

しかし、予防接種反対派の人達は、わざわざ接種群の中に1回接種者を加えることで、接種群の罹患率を上げ、予防接種が効果がないと思わせるように意図的に数値を操作していることがわかります。こうしたねじ曲げられた調査結果がメディアを通して広がっていき「予防接種は効果がない」という誤った情報が広まっているのです。


⑤まとめ
科学的な調査結果に対して研究者が恣意的な解釈を加えることはできません(加えた時点で科学的な調査結果ではなくなります)。前橋データから導き出されることは、①集団の接種率が80%程度あればインフルエンザの罹患率が低くなる(集団予防接種の効果がある)ということと、②50%前後では非接種群と罹患率に差が出ない(非接種者が一定の割合を超えると集団予防の効果がなくなる)ということ、そして、③予防接種にはインフルエンザに罹患する確率を低下させる効果があるということです。いずれも調査結果から導き出される客観的な内容です。

この結果からもわかるように、「前橋レポートで予防接種の有効性は否定されている」という主張は明らかに間違いです。

予防接種に否定的な考えをもつ方々は、自分たちにとって都合の良いように、かなり恣意的にデータを改竄しているということがわかっていただけたと思います。しかし、恐ろしいのは、このような誤った情報でも一旦メディアを通して広まってしまうとそれが『常識』になってしまうということです。

ネットで「前橋レポート」について調べてみると、大半が「予防接種は危険」「ワクチンは効果がない」といった低レベルな記述がほとんどで、その内容についてしっかりと検討した情報に触れることはありませんでした。このブログをご覧になっていただけた方が、「前橋レポートで予防接種の有効性は否定されている」という記述は明らかに間違いであることに気づいていただければ幸いです。

なお、「前橋レポート」の全文はカンガエルーネットHP(http://www.kangaeroo.net/D-maebashi.html)で見ることが出来ます。